『ぼくのお姉さん』

2022-02-01

丘 修三さんという、養護学校で先生をされていた方が書いた児童書ですが、

児童書と言っても、優れた児童書は大人向けの名作に比肩する深みを持ち、

感動を与えてくれます。


この本に収められた6篇は、いずれも障碍(しょうがい)児が登場するお話です。

障碍児に対する差別やいじめの場面があるので、「胸が痛んで読めない」という人もいます。
私も数年前、同じように苦しくて読むのを中断。

しまい込んでいたのですが、本棚を整理しようとして、改めて読んだら印象が変わりました。

物語を見る焦点を少し引いて、全体を見ていくと、実はどれも温かい

純粋な良心に救われるお話だったのです。

昭和の時代の、ごく平凡な人間関係の中で浮かび上がる

人間の愚かさも醜さも受け止めながら、なお人の心の奥にある

良心の光が描かれていて、感動します。


軽くない知的障碍を持つ方は、変な見栄が無くて純粋なのかもしれません。

作中の障碍を持つ子たちに比べて、自分はなんて「愛」を出し惜しみしているんだろう、

と気づかされました。

誰に対しても、自分の持てる愛情を惜しみなく表現できたら、どんなにすてきでしょう! 

少しづつ、そんなふうになって行きたいです。